10年放置した浄化槽のリスクと対策

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浄化槽は、家庭や事業所から排出される汚水を処理し、環境への影響を軽減するための重要な設備です。このシステムは、微生物の力を利用して汚水中の有機物を分解し、より綺麗な状態で自然界に戻すことを目的としています。しかし、長期間にわたってメンテナンスや点検を怠ると、その機能は大幅に低下し、重大な環境問題を引き起こす可能性があります。この記事では、10年間放置された浄化槽が抱えるリスクと、それに対する対策を詳しく解説します。

浄化槽の基本について知りたい方は↓をご覧ください。

目次

放置された浄化槽の実態

10年間もの間、何の手入れもされずに放置された浄化槽は、どうなっているのでしょうか。

結論 使用状況による

具体的には、使用している場合と使用してない場合とに分かれます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

浄化槽を使用していて10年間放置していた場合

定住で使用していることを前提に解説します。

ほぼ間違いなく浄化槽に問題が発生しています。

浄化槽内の微生物のバランスが崩れ、汚水を適切に処理できなくなります。これにより、本来分解されるべき有機物がそのまま残り、悪臭の原因となることもあります。

また、汚泥が溜まり浄化槽内で詰まりを引き起こす可能性が高くなり、汚水が逆流する事態も発生しえます。

浄化槽には空気を送り込むブロワー(送風機)が設置されていることが多いのですが、寿命で故障している可能性が高いのです。その為、より浄化槽が機能していない可能性があります。

そもそも普通に浄化槽を使用していれば、10年以内に何かしらのトラブル(悪臭・詰まり等)は発生していると思います。

なので、次の内容が気になる人が多いかもしれません。

あまり浄化槽を使用していなくて10年放置した場合

定住ではなく、使用していなかったり、別荘で使用ていることが前提となります。

何かしらの問題は発生してる可能性は高いが、適正に対応すれば問題ないことが多い

長年使用していないことから、浄化槽やブロワーに問題が発生していることはあると思います。

ただ、使用がない、少ない状態だと汚泥が溜まる量が少ないので、悪臭や詰まりは起きにくくなります。

今後の対応で問題なく使用できることが多いです。

放置浄化槽の法的問題

浄化槽法第十条等により、浄化槽管理者は保守点検や清掃が義務付けられています。

(浄化槽管理者の義務)

第十条 浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあつては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。ただし、第十一条の二第一項の規定による使用の休止の届出に係る浄化槽(使用が再開されたものを除く。)については、この限りでない。

 政令で定める規模の浄化槽の浄化槽管理者は、当該浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当させるため、環境省令で定める資格を有する技術管理者(以下「技術管理者」という。)を置かなければならない。ただし、自ら技術管理者として管理する浄化槽については、この限りでない。

 浄化槽管理者は、浄化槽の保守点検を、第四十八条第一項の規定により条例で浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度が設けられている場合には当該登録を受けた者に、若しくは当該登録制度が設けられていない場合には浄化槽管理士に、又は浄化槽の清掃を浄化槽清掃業者に委託することができる。

浄化槽法第十条より

本来は年に一回の法定検査も実施しているはずですが、放置していた場合は、法定検査も実施していないのでは推察します。

実施していない理由として、浄化槽所有者を把握してない場合でしょうか。

建物売買や相続等で浄化槽の管理者(所有者)は変更になったが、浄化槽管理者変更届等を行政に提出漏れがあった場合になります。

法定検査については↓の記事で詳しく解説しています。

放置浄化槽の今後の対応

今後の浄化槽の使用状況によっておすすめの対応を解説します。

全く浄化槽を使用しない場合

浄化槽休止届を提出する

今後浄化槽を全くの使用しない場合は、市町村窓口に浄化槽休止届を提出することをおすすめします。

理由としては、先ほど解説した浄化槽管理者の義務が発生しなくなるからです。

法的に問題なく浄化槽を放置することができます。

ただし、浄化槽休止届の条件として、浄化槽内をバキューム車で引き抜き清掃をしてその証明書と一緒に提出する必要があります。

浄化槽の清掃業者がわからない場合は、市町村に問い合わせするとよいでしょう。

使用を開始する場合は使用開始届も忘れずに。

浄化槽を使用してく場合

今後も浄化槽を使用していく場合は、とりあえず現状の浄化槽の問題を解決することが必要でしょう。

参考までに流れを紹介します。

STEP
浄化槽調査依頼

ご自身で判断することが難しいと思うので、浄化槽の清掃業者や保守点検会業者に調査を依頼することをよいです。

STEP
問題箇所の改善

調査結果を教えてもらい改善提案をしてもらいしょう、見積りを出してもらうと良いでしょう。

場合によっては浄化槽の入れ替えが必要になる場合があります。

STEP
保守点検の開始

浄化槽の問題を解消してから定期的な浄化槽の点検をしてもらいましょう。

浄化槽の保守点検についてや業者の選び方について↓の記事で詳しく解説しています。

浄化槽問題改善の費用

参考までに、浄化槽問題改善の費用についてご案内します。

一部必要になったり、複数必要になったりします。

  • 浄化槽清掃費用 2万円〜6万円
  • 浄化槽保守点検費用(年間) 1万円〜3万円
  • 浄化槽ブロワー交換費用  3万〜6万
  • 浄化槽入れ替え 130万円

まとめ

最後にまとめます。

浄化槽を放置していて、今後も使用しない場合は、浄化槽使用休止届を提出しよう。

浄化槽を放置していて、使用していく場合は業者に調査してもらい浄化槽の問題を解消してもらいましょう。

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